小石川かりんとう

east mattuのブログです

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人を殺す、という仕事

今回紹介する本は大石圭さんのホラー小説です。

人を殺す、という仕事

ストレートなタイトルに興味をひかれてつい買ってしまったのですが、読みだしてから軽く後悔しました。

プロローグでいきなり、主人公の男が会ったこともない妊婦を包丁で刺し殺す、というシーンでこの話は始まるのです。

その描写がとても生々しくて…、普段ミステリーでそこそこ残酷な描写は読んできたつもりだったのですが、これがホラーのレベルか…と思い知らされました。ちゃんと最後まで読めるか心配になりました。(チキンか俺はw)
「僕のもとにある日届き始めた手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は順調だった。手紙のお陰で今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが殺人を命じるまでは。
従わなかった結果、母が死んだ。次は妻や娘たちの番だと言うのだ。あどけない少女、臨月の主婦…僕は次々と手を血に染めてゆく…」

というのがこの本の大まかなあらすじです。ピュアで透き通った心の持ち主にはあまりお薦めできないかも(笑)

ここからはネタバレこみです。

C となのる謎の人物から殺しの命令が手紙でおくられてくるわけですが、このC には主人公の橘のことがどういう訳か何でもお見通しで、手紙のとおり橘が殺人を遂行すればC から彼のもとに報酬が振り込まれ、かつ警察の操作は必ず彼までは伸びてきません。しかし無視をすれば彼の愛するものは必ず死んでしまいます。橘は手紙のことを妻に打ち明けました。無視すれば妻が死んでしまうことも。しかし妻は、自分のために罪なき人々を殺さないでと言います。橘はCの命令を無視し、その代わり妻は必ず守ると覚悟を決めます。それで母を失った後だと言うのに…。
結果、妻は事故死してしまいます。

Cのシッポをつかもうと、監視カメラで手紙を投函する人物を確認しようとしますが、どういう訳かそんな人物は皆無で、さらに自分が手紙を取り出すシーンを見ても、確かに何かを取り出すそぶりをしているのですが、その手にあるはずの手紙が映っていないのです…!

さらに報酬もなぜか消えていて、Cからは二度とそんな真似するなと警告の手紙がきます。

Cからは逃れられない…橘はそう確信します。

もう、読んでて凄く橘がかわいそうになりました。殺人などやりたくないのに、命令に背けば次は娘たちが…。

この話の各章では毎回始めに動物たちが人間の手により虐殺されていくエピソードが挿しこまれています。僕は読んでて気分が悪くなりましたが、なぜそんな話をするのか分かりませんでした。しかしその理由が中盤から明かされ出します。

橘は小学生のころに、「人間によって絶滅させられた動物はたくさんいる。人間はこの世で一番悪い生き物だ。たくさんいるのだから、少しくらい殺してもかまわない…」という作文を書いていました。彼自身は忘れていましたが。

もしかしたらCは人類への刺客として自分を送り込んだのでは…?と彼は思うようになります。

物語のクライマックスは切なさとスリルがミックスしたカオスな物でした。
Cから最後の指令が送られてきます。それは、地元の七夕祭りの最終日に30人以上を殺せというものでした。これが成功したら、もうあなたとの縁は切ると。ただし今回はさすがに困難なミッションのため、今までのように必ず罪を逃れられるとは限らない。むしろ失敗する確率の方が断然高い。しかし失敗したときは娘2人の命を失う…。

激しい葛藤の中、大量虐殺よりも、娘2人を犠牲にする方を選ぶ橘。しかし、Cが突然彼の前に現れ、「可能性は0じゃない。最後までベストを尽くすのが父親の役目だ」と言います。
その言葉と、愛する娘たちの姿に突き動かされ、橘は大量虐殺をする事を決めます。

結果的に橘は32人を殺して逃げ延びる…というのが物語の結末です。

CというのはCreator つまり全世界の創造主であることが最後に明かされます。だったら橘を使わずに自分で殺せよと僕は思ってしまいましたが(笑)

気持ち悪くなる描写が多く、普段はよく二度読みする僕でも今度ばかりは二度読みしたいとは思いませんでした。しかしあくまで僕が残虐なシーンが苦手なだけで、決してつまらない訳ではありません!むしろ面白くて一気に読んじゃいましたから。

最後なんか、橘が30人以上殺せたと知り、思わず喜んでしまいました。あれはハッピーエンドってことでいいのかな…??

全体的に怖くて暗い話ですが、だからこそたまに語られる橘と娘たちのエピソードのほのかな明るさ(?)みたいな物が際立ちます。

残虐なシーンばかりですが、そんなシーンが苦手な僕でもひきこまれていく物語でした。
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  1. 2012/12/09(日) 21:49:26|
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